被害にあうと…

捜査から裁判まで

被害者がいる限り、必ず事件には犯人がいます。警察はその犯人を「捜査」します。
そして犯人であるとした被疑者を逮捕し、次に検察官へ送ります。検察官は被疑者を裁判にかけるか否かの決定をし、裁判をかける場合には「起訴」となります。
そしていよいよ「裁判」となるのです。

警察の捜査→送致→検察の捜査→起訴→裁判所による裁判

    捜査について

  • 「捜査」とは?

    「捜査」とは、警察が犯人を捕まえ、証拠を集めて事実を明らかにし、事件を検挙するために行う活動のことです。捜査は犯人を検挙するまで続けることになります。ただし時効により検挙に至らず終結する場合もあります。

  • 「被疑者」の取り調べ

    送致を受けた検察官は、捜査の必要から継続して被疑者の身柄を拘束しようとする場合には、裁判官に対して勾留の請求を行います。勾留請求を受けた裁判官は、請求を認めると被疑者は最も長い期間で20日間勾留、警察署の留置場や拘置所に勾留され、取り調べを受けることとなります。警察では、被疑者が勾留されている間にも、捜査活動を行います。

  • 「被疑者」の逮捕

    警察では、捜査で集めた証拠に基づいて犯人であるとした者を「被疑者」と呼んでいます。被疑者を逮捕した事件と、逮捕せずに任意で取り調べをした事件の捜査では要する時間に差があり、ほとんどの場合は逮捕事件が早く処理されます。これは、逃走や証拠隠滅のおそれがある場合には被疑者を逮捕 しますが、刑事訴訟法により、『逮捕してから48時間以内にその身柄を検察官に送ること』という時間の制約があるためです。

    起訴について

  • 「起訴」とは?

    検察官は、勾留期間内に、被疑者を裁判にかけるかどうかの決定をしなければなりません。その裁判にかける場合を『起訴』、裁判にかけない場合を『不起訴』といいます。
    また起訴には、「公開の法廷で裁判をすることを請求する公判請求」「 一定の軽微な犯罪について書面審理により罰金や科料を命ずる裁判を簡易裁判所に対して請求する略式命令起訴」の二種類があります。

  • 「被告人」とは?

    逮捕しない事件の送致を受けた場合、送致を受けた検察官は、必要な捜査を行った後に、被疑者を裁判にかけるかどうかの決定を行うことになります。
    起訴された被疑者を、刑事裁判では「被告人」といいます。ちなみに、民事事件で訴えられた人を「被告」といいます。

    裁判について

  • 「公判」と判決

    被疑者が検察官から起訴され、裁判が開かれる日(公判期日)が決められると、その公判期日には事件の審理が行われ、最終的に判決が下されます。裁判は、被告人が起訴された事実を認めている場合には1回で終わることもありますが、否認している場合などには1年以上を要することもあります。また、1回の公判に要する時間は、1時間足らずで終わる場合もあれば、午前・午後の時間を最大限使っても終わらないこともあります。

  • 「被告人」とは?

    公判は、裁判官が指揮し、弁護士と検察官が証拠などを提示して行われますが、これは刑事訴訟法に定められた「証拠裁判主義」に基づいており、また、証拠として提示したものを証拠とするかどうかについても「自由心証主義」に基づき、裁判官の自由な心証にゆだねられています。公判手続きの間、被告人が逃亡するおそれがあるなどの場合には、裁判所は、被告人を勾留することとなります。なお、犯人が少年(20歳未満)の場合には、少年法による少年審判手続き等があり、成人の刑事手続きと違っています。

裁判における被害者支援